もうかれこれ3ヶ月ほど前の信越五岳トレイルランニングレース・パタゴニアCUP(2019)の話。今年の9月に4度目(!)のチャレンジを行い、ついにというか、やっと完走しましたよ。
4度目の挑戦になる『信越五岳トレイルランニングレース』の会場である斑尾スキー場までは、神奈川県の三浦半島からざっくり350キロ。毎年のことながら連休初日ということで大渋滞にはまる。初めて信越五岳に出場する人は、とにかく時間の余裕を持っておいたほうが良い。暗いうちに移動して、現地で仮眠するくらいが良いと思う。
今回は圏央道のトンネル(たぶん小仏トンネル)が大渋滞で、Yahoo!ナビに従い埼玉の一般道を延々と迂回するルートを通り、予定の数時間遅れで無事に会場入り。当初の予定では、まず宿に直行して仮眠した後に受付に行く計画だったが、渋滞でそんな余裕はなくなり会場に直行することに。
僕の参加する110キロの受付は、100マイル(160キロ)と異なり必携品チェックもなし。ゼッケンなどの一式をもらう程度。受付を済ませると、ブースが混む前にニューハレの竹谷さんに、足首と膝まわり腸脛靭帯をテーピングしてもらう。
前日にテーピングをしてしまうと、お風呂に入れなくなってしまう。でも当日の朝は少しでも寝ていたいし、プロに正しく貼ってもらいたいので、前日(ブース購入で貼ってくれます)にお願いした。ちなみに、ニューハレが長時間貼っていても痒くならないのは、糊に不純物が入っていないからだそうだ。マメ知識です。
信越五岳は前泊後泊が必須で(100マイルは後泊のみ)、前泊はスタートやウエルカムパーティ会場のある斑尾エリア、後泊はアフターパーティ会場のある妙高エリアに宿泊する必要がある。参加者の懐には響くかもしれないけど、大会が地域に歓迎されるためには必要なことだと思う。ちなみに今回は人が多かったのだろうか?我々に割り当てられた前泊はスタート会場から離れた妙高エリアだった。夕飯を兼ねるウエルカムパーティーやスタート会場までの移動に毎回クルマで30分かかってしまうのが嫌で、スタート当日の朝食は、予め用意したものを宿でとることにした。
18:30 – 100マイルのスタート
前日夜のウエルカムパーティでカーボ(炭水化物)中心の夕飯を食べ、何人かの友人が出場する100マイルのスタート(18:30)を見送る。今回は友人もりちゃんの応援ボードを作ってきた。去年の雪辱を果たしてほしい。
ヘッドライトを点灯してスタートする100マイルのスタートは幻想的で、控えめに言ってもめちゃめちゃカッコ良い。やっぱり100マイルは別格だ。スタートを見送ると、すぐに宿に戻り21時には消灯。ウチの部屋はドアノブが壊れており、常にドアは半開き。隣の部屋の人の出入りは気になるし、緊張もあって、なかなか眠れなかったと記憶しているが、意外とあっさり寝てたらしい。
当日朝 – スタート前
スタートの朝は、3時に起床。食事とトイレを済ませ4時半に宿を出て5時頃に会場入り、5時半のスタートに備える。朝の3時だし緊張してるし、そんなに食が進む訳がないが頑張って、あらかじめ買っておいた朝食を押し込む。そして、こん早朝にトイレする習慣なんてないからトイレもイマイチな成果で終了。ちょっと残ってる感じが気になる。
予定通り5時に会場に到着しクルマの中で待機していると、スタートが30分遅れの6時になるとの情報が入った。どこかのエリアからの送迎バスが遅れたらしい。バスの運転手さんは大変なプレッシャーだっただろう。延びた30分でトイレの続きをやり遂げることが出来たので、個人的にはラッキーだった。
スタート前に友人達と写真を撮っていると、やっと緊張が和らいできた。ここまでの数ヶ月やることはやってきた、もうなるようにしかならない。
2019年大会はスタート30分遅れのため、以降の関門もすべて30分スライドしています。また、記事中の時刻などは、公式リザルトやStravaのログで何となく算出しています。
6:00 – 110キロスタート
いつものように後ろの方に並んでスタート。信越五岳はスタート後に、斑尾のゲレンデエリアをパレードする感じで、ギャラリーも多く賑やかで楽しい。スタート後しばらくは、友人達と喋りながら流れに合わせて進み、少しずつ集団がバラけ始めてから、自分のペースで走り始める。とにかく先は長いのでマイペース。
エネルギー切れを起こすと気力さえも失ってしまうので補給は大切。いわゆるジェルというのは、こういうときくらいしか口にしないけど、僕はアスリチューンというジェルを愛用している。ジェルというよりゼリー状で、味に関しても外国のものより、かなり口にしやすいと思う。エネルギー系はグレープとオレンジがあるので、グレープで始めて味変したくなったらオレンジを使うみたいな感じ。
序盤の7〜9キロ、小さなダム湖?脇の林道に到達。ここは2015年に地蜂に刺されたエリアで、それ以来、このエリアは緊張する。何といっても蜂に関しては、自分で防ぎようがない。唯一の対策として、黒いものを身に着けないようにして、更に、なるべく前の人にくっ付いて走るコバンザメ走法で乗り切る作戦をとる。ただ2015年はふくらはぎ(カーフを着用してた)を後ろから刺されたので、コバンザメ走法にどこまで意味があるのかは微妙。今年はこの区間には蜂は出なかった様子。よかった。
8:12 – 1A 菅川 17km
スタート直後のゲレンデエリアを抜けて、斑尾山の登り口である1A菅川(17キロ)までは、ダラダラと登る林道がメインの単調なパート。マイペースで走ることが出来たが、暑さの影響か去年より若干遅かった。1A手前の林道で先行してた友人に追いついたが、暑さの影響か辛そうだった。
1Aは数秒立ち止まる程度で、塩熱サプリを1錠口に入れ、もらった氷をダッグビルキャップに入れて斑尾山を登り始める。暑さが気になるものの、路面コンディションも良く、とにかく淡々と登り切る。
下りのゲレンデ区間に入ったところで、指先の痺れを僅かに感じた。脱水気味?早くない?ヤバくない??ちょっとだけ焦り、念のために塩熱サプリを1錠追加する。
9:21 – 2A バンフ 22km
バンフにはサポート部隊が待機してくれた。今年の作戦のひとつは、エイドでのタイムロスを減らすこと。去年は8Aの戸隠で(僅か)61秒タイムオーバーで悔し涙を飲んだ(実際は、出し切ってサッパリ。涙も悔しさも感じずw)
今年はエイドでダラダラと時間を浪費しないようにサポート部隊(家族&友人)がサポート・管理してくれる。エイドの水を浴びたら、自分のサポートから、普段から愛飲しているBCAAを溶いたドリンクと、グレープフルーツをもらってすぐにエイドを出た。
ここからの袴岳エリアは登りも下りも苦手意識が特に高いエリア。今年は袴岳に向かうルートが伸びていると事前に聞いていたが、それ以上に進んでも進んでも袴岳本体が現れない。「結構走り込んだのに、やっぱり本番は別物だな…」暑さもあり弱気になっていたところで、友人のジンジンとニューハレの竹谷さんが心配そうな顔で抜いていった。竹谷さんは「トレッドミルばっかり走ってるからだ」と思っていたらしい(笑)
そもそも僕は暑いのが嫌い(寒いのも嫌い)なのだ。コース脇の水路でキャップを濡らしたり、利用出来るものは全て利用して袴岳のピークを目指す。
苦手意識の強い袴岳のピークを越え、スイッチバック区間を抜けると、長い林道の下りに入る。予定よりも遅れていることは分かっていたので、気持ちを切り替えてしっかり走る。林道の下りは、事前にしっかり練習してきた。とはいえ、無理をして脚を使いすぎると、その後に影響しそうなのが難しい。暑くて水もギリギリで、特に3A手前の舗装路の暑さは酷かった。暑さが苦手なひとは、2A〜3A間は予備のフラスクを持って、晴れの場合はプラス1本(500ml)あったほうが安心かもしれない。